元保育士が運営する転職相談ブログ

保育士の悩みに全力で向き合います。

保育士が転職する際に多い転職理由って何?面接のときはどう言うべき?

今回は保育士さんの転職についてのお話です。

「保育士の転職の理由は?」「なぜ辞めてしまうのか?」

待機児童解消が社会問題化している昨今、保育士不足が深刻化していると各方面で言われています。これにはいくつか原因があると思いますが、保育士資格取得者の約半数しか保育士として勤務しないことと、年間約1割という離職率の高さが関係しているとも言われます。

もちろん離職してから同じように別の職場で保育士を続ける人も含まれていますので、一概に保育士の離職率が高いかというとそうでもないように思われます。

というわけで、保育士さんの転職は多いのか?どんな理由があって転職するのか?といったことを中心に調べてみました。また、再就職の際の面接時などに、退職の理由はどう伝えればいいかも併せてご紹介します。

現在転職を考えている保育士さん、まだ全然そんなことは考えていないけれど興味がある保育士さんは是非チェックしてみて下さい。

 

保育士の転職って多いの?

先程保育士さんの離職率が高いのが保育士不足に関係している…と書きましたが、本当に保育士さんの離職率は高いのでしょうか?

厚生労働省・保育士等における現状によると、平成25年の保育士の離職者は3.3万人、離職率は10.3%だそうです。
厚生労働省・平成27年度雇用動向調査の産業別の入職と離職によれば、離職率の高い職種はいわゆるサービス業と呼ばれる職業で、宿泊業・飲食サービス業が28.6%、生活関連サービス業・娯楽業が21.5%、他に分類されないサービス業が20.0%と高い離職率になっています。

それと比べれば10.3%は高いとは言えないのではないでしょうか?

とはいえ、業界内における転職、つまり職種は変えずに職場の環境を変える転職はかなり多いのではないかと思われます。

保育士の転職の理由、本音

では、保育士さんが転職する理由にはどういったものがあるでしょうか?

転職理由として良く挙げられるのが、給料や勤務時間といった待遇面に対する不満と、同僚や上司、保護者との軋轢など人間関係が原因の場合が多いようです。
さらに、保育士さんならではかも知れませんが勤務する保育園の保育方針への不信感などもあるようですね。

他にも、保育士というハードな仕事ゆえの体力面の悩みといった理由もよく聞かれます。
そこで、転職理由を「人間関係」・「保育方針の違い」・「条件のミスマッチ」・「体力面」に絞って詳しくご紹介します。

・転職理由1:人間関係

人間関係がもとで退職する…どんな職種でも起こり得ることですね。

保育園は女性が多い職場、というよりほとんどが女性で構成されていると言っても過言ではありません。男性保育士の数はわずかに約4%、園長や経理・事務といった保育士以外の職員を除けば他はすべて女性という保育園も多いのではないでしょうか?

異性なら許せることも同性にはキツくあたってしまうことは男性でもあります。
ちょっとしたトラブルで陰口や嫌がらせをされたり、パワハラを受けたりすることは珍しくないのではないでしょうか?

さらに、保護者の中には理不尽なクレームや要求を突き付けてくる人もいます。
近隣の住人からの苦情に悩まされることもあるようです。
そういった精神的な苦痛が転職の原因となる場合はかなり多いそうです。

・転職理由2:保育方針の違い

熱意と理想を胸に保育士になったのはいいけれど、勤務した保育園では合理性や利益が優先で決して子どもが一番では無かったのでガッカリ…
そんな保育士さんも少なくないのではないでしょうか?

もちろんそんな保育園ばかりではありませんし、むしろそういった施設は少数だと思いますが、ちょっとした保育方針やルールが受け入れられずに転職する保育士さんもいらっしゃるようです。

一概には言えませんが、歴史のある社会福祉法人の保育園は同族経営なども良くあることなので、現場の声が反映されにくいという面もあるかも知れません。

・転職理由3:条件のミスマッチ

次にご紹介するのは条件面のミスマッチ、つまりお給料やボーナス・残業時間・休日の日数といった労働条件が入職前に聞いたものと違うといった不満が原因の場合です。

最も多いと思われるのが、サービス残業や持ち帰りのお仕事といった勤務時間に関することです。

やることが多すぎて勤務時間内に終わらない!
イベントの準備や制作物は自宅でやるしかない!

という保育士さんはたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
こんな筈じゃなかった…確かにそうですね。

・転職理由4:体力面

最後に挙げたいのが、体力面が原因という場合です。

保育士さんは体が資本!とも言えるお仕事ですね。
子どもを抱っこしたりおんぶしたり、男性が少ない(いない)ので力仕事も当たり前。

そんな仕事ですから、腰や膝を傷めちゃったという保育士さんも多いようです。

しかも長時間勤務の上に持ち帰り仕事、シフトが一杯いっぱいなので休めばみんなに迷惑をかけるから休養も出来ない。
これでは転職したくなるのもうなずける話ですね。

本音は言えない!転職の面接時にはどう言う?

保育士さんの転職理由、他業種の方にもよくある転職理由から、保育士さんならではの転職理由までいろいろありましたが、退職の決め手になったことを再就職をする際の面接時にそのままストレートに告白してしまうのはNGです。

  • 「以前いた園ではお局様的な先輩がいて、いじめられていたので辞めました。」
  • 給料があまりに低いので生活が苦しくて…」
  • 「前の職場の園長は、お金儲けのことばかり考えていたので嫌になって。」

 
などという理由は面接で言うわけにはいきませんね。そこで、面接時に退職した理由をどんな風に言えばいいかを具体的に4つご紹介します。

・目指す保育が違う

例えば、先輩や同僚からのパワハラやいじめでいたたまれなくなったといった場合や、保護者との軋轢があった場合にそのまま言ってしまうと、わがままでコミュニケーション力が低いと評価される場合も考えられます。

そんな時は、保育方針が違っていたという理由がいいかも知れません。

  • 具体例
保育士として一番大切にしている、子供たちとのかかわり方が私の考えと異なっていました。何度もディスカッションを重ねましたが、合意には至らずやむを得ず退職しました。

・保育方針の不一致

目指す保育方針が違っていたという理由はそのまま伝えても大丈夫ですが、前職の園を必要以上に貶めるような発言は控えましょう。

「うちを辞めた時にもいろいろ言われるかもしれない」と敬遠されるかもしれません。
不満を並べるより、より理想に近い園を探して…といった風に前向きに伝えましょう。

  • 具体例
前職の園の保育方針が、自分の求める理想像とは異なっていました。歩み寄ろうと努力は致しましたが、残念ながら退職することになりました。園見学で貴園の保育現場を拝見し、その保育方針に感銘し応募させていただきました。

・評価されなかった

給料が低かった、ボーナスも無かった、福利厚生に関してもひどかった、といった年収や待遇など条件に関する不満が原因で退職した場合もそのままの理由を伝えると、もっといい条件のところがあったらそっちに行ってしまうのでは?と取られかねません。

そこで、能力や資格などを評価してもらえなかったという理由がいいのではないでしょうか?

  • 具体例
前職の園では、横並びで一律の評価に留まっていたのですが、貴園は能力に応じた評価をいただけると聞き、働くモチベーションが高まるのではと志望いたしました。

・労働環境・体力面

仕事があまりにハードで体調を崩してしまったといった場合も、「うちでもやっぱり務まらないんじゃないの?」と体力的に弱いのではないかと受け取られかねません。

実際に体に不調があった場合、そのことは正直に打ち明けましょう。
そして、いまはしっかり回復して体調に問題がないことをアピールしておきましょう。

  • 具体例
人員不足やイベントが重なり、労働環境が悪化して体調を崩してしまい、周りに迷惑をかけてはいけないと退職しました。ただ、しっかり休養し現在は復調していますので、心機一転頑張りたいと思い貴園に応募させていただきました。

 
自分の苦労話や、以前勤務していた園の悪口を言ったりするのは控えましょう。
とにかく、前向きな理由に言い換えて転職理由を伝えるようにすることが、面接時に印象が良くなる秘訣です。

さいごに

保育士さんの転職理由のお話、いかがでしたでしょうか?

分かるー!そうそう!と同意する保育士さんや、えーっ?!ウチはそんなことないよ!という保育士さん両方いらっしゃると思います。
1つ、あるいは2つくらい思い当る方もいらっしゃるでしょう。

自分の置かれている労働環境をしっかり把握し、他と比較してより良い職場を探すのも、今の環境で頑張るのもあなた次第。

転職を決断するラインを決めるのはあなた自身です。