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理想の家庭的保育を!保育ママ制度とは?収入や資格、保育士との違い

保育ママ」という言葉自体、今まで聞いたことがなかった人も多いかも知れません。保育ママとは、子供を預かってくれる保育園がない場合に、代わりに保育をする福祉員のことを指します。

そもそも保育ママ制度とは?

保育ママ」という言葉自体、今まで聞いたことがなかった人も多いかも知れません。保育ママとは、子供を預かってくれる保育園がない場合に、代わりに保育をする福祉員のことを指します。

・正式名称は「家庭的保育事業」

保育ママ制度は2010年の児童福祉法改正によって、保育サービスの普及促進や子育て支援の充実のために「家庭的保育事業」として定められたものです。サービスの利用条件は、

  1. 保護者が一定時間以上就労している、傷病で療養している、就学していること
  2. 子供が3歳未満であること

 
となっています。東京の様に待機児童問題が深刻化しているにも関わらず、土地や周辺地域などの問題で新設の保育園ができにくい地域では、この保育ママの制度を利用して子供を預けているご家庭もたくさんあります。

(参考:児童福祉法等の一部を改正する法律案概要 -厚生労働省

実はこの制度は全国に普及しているわけではなく、自治体によっては無い場合もあります。保育ママを目指す場合は自治体の制度を確認しましょう。

・ベビーシッター、保育士との違い

保育士は主に保育施設で子供たちのお世話をし、ベビーシッターは主に子供の自宅に出向いて保育をします。一方、保育ママは3歳までの乳児を自宅で預かって保育をするという違いがあります。

保育ママとして働くメリット

・少人数の「家庭的保育」

保育園には、たくさんの子供たちと触れ合える等のメリットもありますが、保育ママには少人数だからこそできる保育ができるというメリットがあります。より密接に触れ合える保育ができるのも、保育ママの特徴です。

・今までできなかったことができるようになる

その喜びは何にも代えがたいメリットです。保育ママは幼児の一生を決めるとも言える幼少期に親の代わりとなって携わることができます。保育方法などはある程度の自由さがあるので、自分の保育方法は子供にすぐに出てくるはずです。保護者と一緒に喜びを分かち合うことで、保護者との信頼関係を深めていくことができるのは、保育ママのような少人数保育だからこそのメリットです。

自宅で保育ができるわけですから、自宅をより良い環境に整備してから保育することができるわけです。自分の理想とする保育ができるとも言えるでしょう。

保育ママとして働くデメリット・困難

保育ママは少人数の子どもを手厚く見てもらえるといういい点がありますが、ときにトラブルがあるようです。

・相性と信頼関係

少人数制だからこそ、保護者、子どもとの相性が大切になってきます。

相性が合わないと、こちらが大丈夫だと思っていたことでも相手はとても怒ったり、不信感を抱かれてしまったりすることもあるのです。

子どもを預けることは信頼関係のもとで成り立っているので、細かいことでも確認し、お伝えすることが大切になってきます。

また、仲の良いことは素晴らしいことですが、関係が慣れ合いにならないように仕事はきちんとおこなうように心がけるのがポイントです。

実際の仕事内容は?保育ママの一日

保育ママの一日の流れをご紹介いたします。

  • 8:00 受け入れ開始
    子どもたちの健康状態を視診しながら、お母さんから受け入れます。持ち物や連絡帳などのその日の確認も忘れずに行います。
  • 9:00 おやつ、排泄、おむつ替え
    一緒に歌をうたったり、手遊びをしたりします。午前中のおやつを食べ、排泄の時間、おむつ替えをしながら健康状態もチェックします。
  • 10:00 外遊び
    近くの公園へ遊びに行きます。交通安全に気を付けて出発です。気温に合わせた対策も忘れずにしましょう。
  • 11:00 昼食
    手洗い、うがいを済ませた後は昼食です。介助をしながら、どのくらい食べたのか、フォークとスプーンの使い方を少しずつ教えます。
  • 12:00 午睡
    食べ終わった子から、おむつも変えてお昼寝の寝かしつけをします。ゆっくり休ませて体調管理をしっかりしましょう。
  • 15:00 起床、おやつ
    起きた子から、おむつ替え、検温をおこないます。そのあとは、おやつの用意をしてみんなで食べます。
  • 16:00 お遊び、お迎え
    室内でダンスをしたり、おもちゃで遊んだり。けがのないよう安全に配慮し、見守ります。お迎えがきた順に、受け渡し、一日の様子をお伝えします。

 
もちろんこのような働き方をされる保育ママがすべてではありませんが、どのようなことをすればよいのかのイメージは持って頂けたでしょうか?

高収入?保育ママの収入は?

・収入は不安定?

保育ママ個人事業主という形になります。少人数での受け入れの為、いつも受託乳児がいるわけではありません。乳幼児が途中で、希望の保育園に移動することも多いです。つまり、年間を通して定収入ではなく、昇給もあるわけではありません。

個人事業主なので、やり方次第で収入を伸ばすことも可能ですが、純粋に子供の保育に情熱がある人でなければ続けられない仕事ともいえます。

・待機児童解消への期待?支援もあり

しかし、自治体によっては補助金で手厚く保護されてる地域もあります。特に東京都の江戸川区などや板橋区、地方では仙台市や札幌市など比較的人口が多い地域で待機児童問題が深刻化しているところは、保育ママに対しての理解が進んでいるともいえます。

  • 環境整備費
    月額3万円(2人以上受託の場合には加算あり)
  • 保育補助費
    月額乳児1人につき7万円

 
自治体によって違いはありますが、おおよそ一人預かるとしても月20,000円前後と土日なども預かってくれることを考えると、保護者にとってはとてもリーズナブルに利用できますが、一人が同時に幼児を3人預かることが限界ということを考えるとこれから保育ママになろうとしている方は、収入的にはあまり魅力を感じない方も多いです。

自治体によっては高収入

しかし、江戸川区などの自治体で保育ママになるとすれば、ご家庭から預かる保育料の他に、補助金が一人につき7万円出ることになります。つまり、3人預かるとなれば保育料が

60,000+210,000=270,000

となることを考えると、意外に高収入とも言えます。保育ママを目指すならこういった自治体で開業することも考えてみるべきです。

保育ママになるための条件

・資格は必要?

保育ママになる為の条件は自治体により全く違います。基本的には保育士、看護師、幼稚園教諭等の資格が必要なところもありますが、研修を受けることで自治体から認定を受けた場合には資格を持たなくても保育ママとなることができる地域もあります。

多くは、

  • 25歳以上60歳未満(または65歳未満)で未就学児童がいないこと
  • 同居に介護しなければならない人がいないこと
  • 保持していなければ自分の子どもを育てた経験がある
  • 自治体の決めた研修期間、条件をクリアーをしている

 
以上のような条件があります。比較的条件はそれほど厳しくないところが多いです。

油断大敵!保育ママの心得

子どもを保育するという仕事に就いている人は、みな共通して心得ておきたいことがあります。また保育ママとしても心得ておきたいことをあげてみます。

  • 子どもと自分の健康管理をきちんとおこなう
    これは、子どもを預かるうえで一番大切なことです。健康に安全に過ごせる場所でなければなりません。また、自分の身体が健康でなければ子どもを預かることはできません。当たり前のことですが、毎日元気な笑顔で子どもと過ごしましょう。
  • 清潔感のある身だしなみ
    子どもと接する仕事は、清潔感が大切です。短い爪、整えた髪型、適度な化粧、清潔な衣服、アクセサリーはなるべく控えましょう。
  • 余計なことをしゃべらない
    仲良い関係を築くのはとてもいいことですが、ほかの子どものことや家庭のことまで話すのはよくありません。また、子どものことをふざけて面白おかしく言うのも、思わぬトラブルになりかねません。きちんと意識を持って会話をたのしみましょう。
  • 子どもの鏡になることを忘れない
    子は親の鏡、という有名な言葉があります。子どもは恐ろしいほど親の言動を観察しています。

 
自宅で子どもを預かっていると、生活の延長になってきて慣れてきてしまうことがあります。どんなときも丁寧で優しい言葉使いや行動を心がけましょう。

さいごに

子供達や保護者との距離が近く、きめ細やかな保育ができるとも言える保育ママ。子供にとって自宅で変わらないような環境で、1日ゆっくり過ごせることは、保護者にとっても安心できます。

また、乳幼児は毎日の成長、新しい発見があります。昨日までできなかったことができるようになった時は、保護者とともに喜びを分かち合うことができます。子供が大好き、保育に喜びを見いだせる方保育ママの仕事は魅力的ともいえるでしょう。